急性期病院のこと2

倒れてすぐに、妻が上司に電話で状況を連絡してくれました。上司は「有休がたっぷり残っているので休んでも8月までは有休を使い給料が出る、
総務から連絡があると思うがその後は欠勤は2ヶ月、欠勤の後最大2年6ヶ月間休職できるそうだ。うちの会社は欠勤中でも7割程度給料が出る。
その後の休職中は全額給料が出る。toro君の仕事は他の人に振っておくから会社のことは何も考えなくて良い。ずっと待っているからしっかり休んでリハビリして回復に努めてから復職しろ」
と言ってくれました(ちなみに総務からは最後まで何の連絡もありませんでした)。上司の優しい言葉に泣きそうです。この上司の言葉にどれだけ勇気づけられたかわかりません。
会社に入ってから上司が色々変わりました。僕の好きな言葉に高杉晋作が言ったと言われる「艱難を共にすべく、富貴を共にすべからず」というのがありますが、人生最大のピンチに陥ったこの僕に寄り添ってくれてまず「何も心配いらない」と言ってくれたこの上司が一番だと思っています。恵まれていました。ラッキーでした。後からネットで検索したら、給料が出なかったり失職を余儀なくされたり、金の切れ目は縁の切れ目とばかりに奥さんが子どもを連れて去ってしまった方がいたりで散々なようですが、僕は恵まれています。
上司はお父さんが脳卒中にかかったようで、いちばん大変なのは本人ではなく看護・介助する奥さんだねと妻のことをしきりに心配していました。
しかし、私は労組の役員をやっていたので就業規則はそれなりに読み込んでいたつもりですが、休職中も給料が出るとはびっくりです。(後から明細を見るとしっかりボーナスも出ていました)。休職は自己都合の欠勤ではなく会社から命ぜられるものなので給料が出るそうです。なるほど、と思いました。
社労士の勉強をしていたので有給を使い果たした後は健康保険の傷病手当かな?申請面倒だなと思っていました。本当に恵まれていました。
後顧の憂い無くリハビリに努めることができました。でも二年半も休むつもりはありません。会社にあまり借りを作りたくなかったのでリハビリして早く復職してやろうと心に誓いました。
お金勘定が仕事でその資格を持っている妻は入院中の収入と入院の費用をかなり気にしていたようです。仕方ありません。まだ幼い2人の子がいるのですから。収入については上司から聞いたことを話し、
入院費用については高額療養費の説明をすると安心したようです。まさに社労士受験生の面目躍如です。受かってませんが知識は一般人より全然豊富だと思っています。
全然余談ですが保険や年金など社労士の基礎的な知識は一般常識として、この国で生きていくなら義務教育で強制的に教えておいたほうが良いと思います。
この後色々な場面で出てくるかと思いますが、僕も病気になってから社労士の知識で随分助かりました。試験に出るような細かい数字などは必要ありませんが・・・。
また、労組時代に身に着けた知識で、会社の健保組合は独自に付加給付があるので、保険適用の治療だったらどれだけ入院してもかかる金額は一ヶ月に○万円未満のはずだよと妻に言いました。
(言っても妻は納得せず、しばらくして健保組合から付加給付の知らせが葉書で来て更に給料の口座を確認してようやく納得したようです)このことを知っていたのと、
どっかの本で読んだ「医療保険は人生で家に次いで2番めに高い買い物」という言葉に感銘を受けたので保険には全然入っていませんでした。
(付き合い程度には少額の掛け捨ての生命保険には入っていましたが・・・あと、安かったので住宅ローンの特約の就業不能保険には入っていましたので休職中は住宅ローンの支払はゼロでした)
お金の不安がなくなったので、このあたりも他の人と比べて恵まれた境遇だったと思います。
ちなみにこの辺の知識がパッと出てきたので脳のダメージはそれほどでもないのかな?麻痺はすぐ治るのかな?と勝手に思っていました。