転院

入院してからしばらくして、ドクターから妻に「転院先を決めてください」と言われたようです。退院までずっと救急車で担ぎ込まれたこの大学病院(急性期病院、と言うそうです)にいるんだと思っていたので意外でした。
妻と義母が色々ネットで調べてくれ、ここが良さそうだと決めてくれたので私の住んでいる家の近くの病院(回復期病院、と言うそうです)に転院できることになりました。
規定でこの急性期病院のリハビリは1日あたりPT、OT、STそれぞれ各20分止まりで、本格的なリハビリは回復期病院しかできないようです。色々面倒ですね。
「転院先は土日も休み無く一日中ハードなリハビリ漬けで病院の中の生活もリハビリにつながる工夫がされてるんだって」と妻は言ってくれましたが、病院によってリハビリのレベルが異なるのもおかしいよな、と正直思いました。日本が世界に誇る国民皆保険制度はどこでも均質の医療が受けられるのが(建前としては)売りなのではないでしょうか。
妻は病院のソーシャルワーカーさんに色々相談していたようで、ソーシャルワーカーさんも色々動いてくれていたようですが、この大学病院がある県以外の他県の状況は全くわからないようで、
僕の住んでいたところの近くの回復期病院のリストを持ってきてくれたのですが、どこが良いとか言ってもらえないため自分たちで決めなければなりませんでした。
(同じようなことが後のケアマネージャー選びでも発生しましたので書きたいと思います)ちなみに実際に転院した回復期病院はそのもらったリストにはありませんでした。
今の時代はネットがあるので僕たちのようなド素人でも何となく調べられるのですが、
ネットのない昔だったらと思うとぞっとしますし、現在でもコンピュータリテラシーのないお年寄りなどはどうすれば良いのでしょうか。
この辺の手続きを病院がサポートしてくれたら、情報を病院間で共有するシステムのようなものがあれば、
家族の負担が大幅に減ると思うので大変ありがたいと思いますが、行政の縦割りとか色々な問題で無理なのでしょうね。
僕もスマホで少し調べていたので「長島監督オシム監督が入院した東京の病院がどうも有名で良いみたいだが東京の人しか入れないようだ。転院先の病院でもそこと同じレベルのリハビリが受けられるのだろうか」と考えていました。
(後からケアマネージャーさんに聞きましたが、転院した回復期病院はハードなリハビリを行うので、入院できるのは比較的若くリハビリに耐え復職の可能性のある人だけだそうで、
リストにあった他の病院より入院のハードルは高かったようです。実際はお年寄り(失礼)が多かったですが・・・)
転院が決まって、Aさんが「退院おめでとうございます。退院の日は私は休みでいないのでお見送りできないから、代わりにその前のお風呂の日は私が背中流してあげますね」と言ってくれました(ウソのような話ですがホントです)。
Aさんにはいつも勇気づけられました。「toroさんなら絶対大丈夫、歩けるようになりますよ。」と言ってくれましたし、
(後で妻に聞きましたが妻はドクターに「歩けるようになるんでしょうか?」と聞いていたようですがドクターは言葉を濁していたそうです。)
Aさんはいつも無機質な病室でひまわりのような華やかな笑顔を振りまいてくれましたが、もう最後です。
もしこの病院に(もちろん自分や家族の病気以外で!)再び来ることがあったら、僕の命を救ってくれたドクターと常に元気づけてくれたA看護師さんにお礼を言いたいです。
そして「こんなに動けるようになったよ」と見せてあげたいと思います。