お見舞い

お見舞いと言えば妻は着替えやタオルを洗濯・交換しによく来てくれました。感謝です。余談ですがこの病気になってからいろいろな人に感謝する場面が増えました。
ほぼ毎日誰かに感謝してありがとうと言っています。「すみません」というより努めて「ありがとう」というようにしています。早く他の人から感謝される身分になりたいと思います。
余談が多すぎですがしばらくお付き合いください。病棟内には乾燥機付きのコインランドリーがあり、自分で洗濯している方も結構いましたが僕は妻頼みです。そのおかげでリハビリに集中できました。
子どもたちも夏休み期間だったので妻と一緒によく来てくれましたが、僕に会えるのが楽しみと言うよりも病院近くのスーパー銭湯風温泉に行くのが楽しみだったかと思います。
でも僕は子どもたちに会えるのは嬉しく、宿題や本を持ってきた子どもたちに読んであげたり宿題を教えてあげられるのは楽しかったしいい気分転換になりました。
会社からは上司や同僚が遠いのにお見舞いに来てくれました。上司から「どれくらいで復帰できそうって言われた?」と聞かれた時「ドクターからは3ヶ月が標準だと言われました、また単身赴任は無理、と言われました」と言うととても残念そうにしていました。
「3ヶ月というと秋になってしまうな・・・休職だね」と言い、「言いにくいことだが、会社の人事の規定で休職になると、残念だが役職から降ろされるそうだ。俺も〇〇さん(上司の上司)もさんざん抵抗したんだが駄目だった。」と言われました。
想定内でしたがやはりぐさりと来ます。休職しているということは役職に見合った仕事をしていないということです。休職中に給料がいただけるだけでもありがたいと思いますが、頑張ってまた役職を頂きたいと思います。頑張りすぎないように、と皆さんからよく言われますが・・・。
「復職はどこだろう、あそこかな」と家の近くの事業所の名前を挙げます。生々しい話ですが現実を直視せざるを得ません。
請われて単身赴任して行ったのにまた別の所か、この病気のせいでいろいろな人に迷惑をかけてしまう・・・。上司も親身になってくれたのに申し訳ない・・・。気持ちを切り替えて行きたいところですがなかなか難しいところです。
本社からもたまに一緒に仕事をしていた(というか私が一方的に仕事をお願いしていた)部門人事を担当しているマネジャーが突然お見舞いに来てくれました。
事前に連絡がなかったのでOTをやっている最中でした。全く想定外で来ると思っていなかったので吃驚です。サプライズは嬉しいものです。
「まだ引きこもる歳じゃないだろう?みんな待ってるからね」と言ってくれました。「左手が使えない」と言うと
「利き手の右手があるだろう?全然大丈夫だ」「部門長もいろいろ考えてくれてるみたいだよ」と励ましてくれました。
そして一番ビックリした&嬉しかったのが、単身赴任先の同僚だけど仕事上の付き合いはあまりなかった大先輩のKさんの訪問でした。
Kさんは脳卒中を複数回患った事があり私もそれを知っていました。単なるお見舞いではなく同じ病気になってしまった仲間を身を持って励ましに来てくれたのです。
色々不自由なのに本当に遠い遠いこの病院までよく来てくれました。
本人は「リハビリだよ」「乗り物に乗ってれば黙っていても運んでくれる」と言っていましたが大変なことだったでしょう。
後述しますが、退院後しばらくしてから産業医の面談のため僕も電車を乗り継ぎ単身赴任先に行きましたが、それはもう大変でした。
Kさんは僕の病気を知った時妻にKさんご自身の闘病記(日本脳卒中協会の体験記で入選したものです)を送ってくれました。妻はたいへん励まされたようです。
私も協会に体験記を送ってみようかな、とも思いましたがご覧のblogの通りKさんのように2000字程度にうまくまとめることができないのでダメです。この記事だけで2300文字もあります。
しかし、Kさんの体験記を読んで色々ためになりましたし、面白かったので退院したら制限のないblogでもやってみようかな?と思い今に至ります。
Kさんの言葉で印象に残ったのが「僕はお酒は好きなんだけど、病気してから一滴も飲んでいない。酔っ払って転んで良い方を怪我すると取り返しがつかないから」と言う言葉です。
僕もお酒は好きでした。一晩に飲む時はワイン2本とか日本酒一升とか平気で飲んでいました。これが病気を発症した原因の一つだと思いますが、今でも一滴も飲んでいません。
入院という強制禁酒の環境から脱してしばらく経ちますが、夜になるとあれほど欲していたお酒を欲しい気分が不思議と起きません。炭酸水で充分です。
断酒というか卒酒すると当然のことながら経済面で助かるので一石二鳥だと思います。外食費はほとんど酒代なんだ、と思い知らされました。
他にも色々な方がお見舞いに来てくれました。飲み友達だったTさんとかSさんとかNさんらです。
この人達とはバーベキューしたり色々遊びましたし、また遊べるようになりたいと思いました(退院後程なくその機会が来ました)。
Nさんは実は美人?看護師で、しかも回復期病棟で勤務した経験があるようで、お見舞いに行くと言うのにかこつけて?僕が入院している病院を見学しに来たようでした。
「この病院は色々すごいね、立派だよ。」僕は色々と文句を書いていますが、本職の方が第三者的に見ると良い病院のようです。
Nさんは「6ヶ月だからね、6ヶ月でどれだけ良くなるかが勝負だよ。」と言ってくれました。色々調べても脳卒中からの回復には6ヶ月の壁というのがあるようで、僕もずっとそれを恐れていましたが、
6ヶ月を過ぎても色々できることが増えているのを実感しています。