回復期病院のPTその2

最初PT室内をヨタヨタと1、2、3といちいち杖を足に揃えて(3動作歩行と言うようです)歩いていましたが、
その内廊下歩行になり、病院の外回りを回るようになり、1,2、1,2と杖をついてリズムよく歩けるようになり(2動作歩行と言うようです)、
最終的には杖無しで病院の外に出て歩行訓練するようになりました。この頃には長かった梅雨も明け真夏日が続くようになり、
外での歩行訓練は熱中症の恐れがあるということで廊下一周のタイムアタック(!)をやったり、
退院後の生活を想定して階段や段差の練習をしたり、エスカレーターやバスや電車の乗り降りを想定した訓練をいっぱいしていました。
今日常生活が自立していて色々外出できているのもこのベテランPTの先生のおかげだと思っています。
入院して2ヶ月ほどした頃でしょうか。だいぶ歩けるようになった時、主治医から「車椅子を撤去しましょうねー」と言われました。
車椅子じゃないとこの頃は物を運べませんでした。かなり抵抗しましたが取り上げられてしまいました。主治医はスパルタでした。退院後のことを考えると当たり前なのですが。
PTの先生はよく持論を語ってくださり、「闇雲に歩行してもダメ、コツを掴まなければ100万歩歩いても無駄」だとか、
「プラットフォーム(ベッド)でいくら徒手運動(マッサージ)してもダメ、やはり歩くコツを掴まないと」と言っていました。
色々よく研究されている方で、「左足に重心が乗っていない気がする」と言うと体にセンサーを付けてくれ、
パソコンで可視化して「重心乗っていますよ大丈夫」と見せてくれたりしました。
前述したとおり、痙性が強いと言われていましたが、この病院に入った当初はふとスイッチが入ってしまうと足のガクガク(クローヌス)が止まらず、
歩いているときにもガクガクしてしまい”これじゃ復職どころか社会復帰も不可能だな”と悲しく思っていましたが、
「僕の経験ではそのうち出なくなる方が多いですよ」とこの経験豊富なPTさんに言われたとおり、いつの間にか自然に足のガクガクは出なくなり、かかとも接地するようになりました。
PTでは「toroさんなにかスポーツされていましたか?」と担当のPTの先生や担当が休みのときの代行のPTさんに言われていましたが、
「毎朝の2キロと週末の10キロ、犬の散歩くらいでした」と言うと驚かれていました。なぜそんなことを言われていたのか、今でも謎です。
そうそう、PTでクルマの乗降の訓練もやりました。主治医からOTでやると言われていましたが歩行に直結する大きな動作なので?PTでやったようです。
病院の敷地にある訓練用のクルマ(セダンタイプ)の後部座席に乗り込む訓練をしました。セダンタイプはタクシーもそうなのですが間口が狭く潜り込むような感じで乗り込まなければなりません。
お尻を椅子につけてしまえば転倒の恐れは無いのですが、今でもタクシーはちょっと苦手です。降りるときも僕には結構厄介です。
妻に僕の車を持ってきてもらい、僕の車への移乗訓練もやりました。僕の愛車はワンボックスカーです。これが良かったかもしれません。
椅子もセダンタイプと比べて高い位置にあるものですからちょうどお尻のちょっと下の位置だったので無理なく座ることができ、
しかも後部座席はスライドドアで大きく開くので、僕には乗りやすくて良かったなあと思っています。
運転席にもその時座りました。車の運転が好きだった僕は早く退院して車を運転したい、
でもその前に主治医から許可をもらわないとな・・・もらえるのかな?と不安に思っていました。