一宮めぐりの旅(12/28)

この日は一宮巡りは一休みして、グルメと芸術を堪能してから子どもたちと妻が待つ妻のの実家に向かうことにしましょう。これがこの日のプラン1です。ホテルでも朝食があって「徳島の名産が並んだ朝食!」とキャプションがわざわざ付いてて結構心を揺り動かされたのですが、初志貫徹でプラン1で行くことにします。写真多め・文章少なめです。

びんび家

ホテルから車で30分ほど、以前から妻が「小さい頃からよく行ってる、ほかは知らないけどここの魚が日本一美味しいと思う」と言っていて、ずっと憧れていたびんび家です!

瀬戸内海

お店の前は瀬戸内海です。9時オープンの一番乗りでした。

生け簀と階段

スロープ

お店に入るのは階段がありますが、手すりもスロープもあるので安心。ここでお店で使われている食材を売っているようです。

びんび家のメニュー

うわあ、こういうの大好きです!どれにしようかな(もう決めてありますが)ショーケースの焼き魚・煮魚も気になります!たこ酢より高い、1100円もするわかめ酢ってどんなだろう。カレーもあるのか。

お茶

席に着くとやかんでお茶を出されます。いい雰囲気だなあ。注文してしばし待ちます。朝9時ですがもう沢山の人が。時節柄でも、ナンバーを見るに県外からの観光客が多いみたいです。

おまかせ定食(はまち)

注文したおまかせ定食のはまちがまず来ました。コリッコリの刺身はすごい鮮度です。こんなの食べたことがない。

おまかせ定食びんびめしに変更

そしてどんどん運ばれてきてフルラインナップ。デーブルがいっぱいで嬉しくなります。こりゃ豪勢な朝食だなあ。うおォン、俺はまるで井之頭五郎だ。ただの「おまかせ定食」はご飯ですが、「びんびめし」というのが気になったので変えてもらいました。魚とタコの釜飯ですね。

鳴門産わかめ汁

そしてここでも驚かされたのが味噌汁のわかめ…鳴門産わかめ、なんでこんなに美味しいんでしょう。他のおかず、天ぷらもカレー味の焼き魚もレベルが高い。

はぁー食った食った。朝から満足です!こんないい思いをしていいんでしょうか。妻の言う「日本一魚が美味しい」はまんざら嘘じゃないと思いました。日本一魚が美味しいということは世界一魚が美味しいということです。食べログの定食部門(というのがあるのがすごい)でNo.1なのが頷けるところでした。徳島に来たらびんび家、オススメです!

そして次は大塚国際美術館。日本で(というか世界で?)ここだけの「偽物しかない」美術館です。偽物というのは悪く言い過ぎですね。陶板で世界の名画を現物大に再現している美術館です。びんび家から大塚国際美術館は鳴門スカイラインを通って行きますが、これがまた絶景です。

四方見展望台1

四方見展望台2

こういうのを見ると、死ななくてよかったなあ、まだまだ生きて知らない景色を見てみたい、そして子どもに見せてあげたいなと、とつくづく思います。不自由だけど、旅は続けたいですね。

大塚国際美術館

大塚国際美術館です。このあたりは国定公園になっているので、景観を崩さないように山の中腹から地下をくり抜くように広大な空間が美術館になっています。

駐車場は下の海沿いにあって写真に見えるバスで送迎してくれるのですが、警備員に手帳を見せるとエレベーターが必要な場合は専用の駐車場に案内してくれ、エスカレーターでも良い場合は入口の脇でも停められるみたいです。入場料は3300円もしますが手帳提示で同伴者一人も含め半額です。ありがたいことです。

大塚国際美術館のエレベーター

これは後日、帰りに家族で寄った時の写真なので、子どもが写っていますが、こんな長いエスカレーターを上ると、

システィーナホール

バチカンシスティーナ礼拝堂ミケランジェロの名作と同じサイズ・同じ柄のシスティーナ・ホールです。バチカンには行ったことがありますが、椅子もなく「ノー・フォト!ドント・ストップ!」と係員がずっと言っていてゆっくり見ることも写真を撮ることもできなかったのですが、ここはきちんと教会の礼拝堂のようなベンチがあり座ってゆっくりと見られますし写真も撮り放題です。正面には聖書のヨハネの黙示録最後の審判」、天井には聖書の「創世記」、アダムとイブが神によって作られて楽園から追放されて…が忠実に再現されています。

偽物(失礼)とはいえ僕はあまりの感動に圧倒されてしまい、ただ座って1時間ほどボーッとしていました。バチカンは「見学ルートをただ通るだけ」で何の感情も起こらなかったのですが、ここは感動で身動きが取れない状況です。たとえ偽物といえども、「神の威厳を美術により広く民に知らしめて宣教する」という西洋宗教絵画の力をまざまざと実感できます。様々な娯楽があふれている現代ならともかく、500年前にこんなのを見たら一発でキリスト教信者になっちゃいますよね。僕のように右脳がやられると芸術や音楽が苦手になると言われていますしTMSで通っている脳神経外科の先生もそう言っていたのですが、全然そんな事はありませんでした!

ほかにも、教科書に載っているような絵はたいていあります。

ボッティチェッリヴィーナスの誕生

こんなのとか、

レオナルド・ダ・ヴィンチモナリザ

こんなのとか、

フェルメール真珠の耳飾りの少女

こんなのとか、

ルノワールムーラン・ド・ラ・ギャレット

とか、

モネ「ラ・ジャポネーズ」

とか、

ミレー「オフィーリア」

とか、

クリムト「接吻、アデーレ・ブロッホ=バウアーの肖像」

とか、現物大の、

レオナルド・ダ・ヴィンチ「最後の晩餐(修復後)」

レオナルド・ダ・ヴィンチ「最後の晩餐(修復前)」

最後の晩餐に至っては修復前と修復後を向かい合わせで展示。ミラノに出張で行ったとき寄ったけど売り切れで現地のダフ屋からチケット買って入ったなあ…。とても懐かしく思います。絶対また行けるはずです!

現物大といえばこれ。

ピカソゲルニカ

とか、古今東西の名画全部あると言っても過言ではありません。よく見ると陶板の継ぎ目がわかりますが、そんなの関係ありませんね。どっかで書いたかもしれませんが美術館散策というのは歩きながら見るのもいいですし、座ってゆっくり見ることもできるので頭と体のリハビリにはもってこいだと思います。ここは広いしけっこう大変ですが。

実はここで展示されている絵のかなりのものを現地の美術館で現物を見たことがあるのですが(ちょっとした自慢です)、日本の徳島で変わらないクオリティーで見ることができる事はすごいことだと思いますし、大塚グループの社会貢献は素晴らしいと思います。でも大変悲しいことですが、日本は今後どんどん貧乏になってゆくことが確定していますので、こんな素晴らしいものが見られるのは今のうちだけじゃないかと思っています。

ゴッホのひまわりに至っては、

ゴッホ「ひまわり」の部屋

7つ全部同じ部屋にあります。

僕の大好きなブリューゲルの絵もありました。

ブリューゲルネーデルラントの諺」

この絵は、

甲冑を身に着けて猫に鈴をつける人

この病的なまでに臆病な人が見どころです。こんなに近づいてじっくり見ても、誰にも注意されません。そんなこんなで大満足なのですが、

モネ「大睡蓮」

屋外でモネの「大睡蓮」に囲まれて鑑賞する場所があるのですが、これだけはパリのオランジュリー美術館で見たほうが採光も観覧者との間のとり方も考えられていて良かったかも、と思いました。

ちなみにここで唐突ですが僕が個人的に好きな世界の美術館を5つ挙げろと言われたら、

オランジュリー美術館(フランス・パリ)

バーゼル美術館(スイス・バーゼル

大塚国際美術館(日本・徳島)

・テート・モダン(イギリス・ロンドン)

川村記念美術館(日本・千葉)

です。すごい偏りがありますがモネとマーク・ロスコが好きなだけです。バーゼルはハンス・ホルバインの「墓の中の死せるキリスト」が凄い。さて、話を睡蓮に戻しますとここみたいに自然の陽の光の下で見る睡蓮もなかなか良く考えているなあと思うのですが、冬の徳島の陽の光の下で見る絵ではないかなあと思いました。オランジュリー美術館はモネの絵を飾るためにフランスが国として作った美術館だから仕方ないのですが。でも大塚国際美術館、僕の中で好きな美術館に堂々ランクインです!

コーヒーセット(ザッハトルテ

さて、歩き疲れたので途中で休憩がてらカフェに行ってみました。席を確保してから売り場に行って選ぶセルフスタイルです。コーヒーセットはポット付きでお得なのですが、片手で液体がなみなみ入ったお盆を持ち運ぶのはつらい…と思っていたら、店員さんが「席までお持ちします!」とありがたい申し出。ザッハトルテはウイーンの本家のホテル・ザッハーより元祖のデメルが個人的に好きですが、大塚国際美術館ザッハトルテ(ここで作っているわけではなさそうですが)が世界一うまいと思いました!「お食事終わりましたらそのままで結構ですよ」とも言ってくれました。感謝です。

カフェで人間観察をしていたら、遠足(かな?)の幼稚園児をたくさん見かけました。こんなところに遠足とは素晴らしい。今は面白くなくても、今後絶対人生の糧になるはずです。

そんなこんなで夕方になってしまいました。明るいうちに妻の実家の児島に向かう予定でしたが大幅オーバーです。その前に歩き疲れてお腹が空いたので…。

味処あらし

大塚国際美術館近くの「あらし」さんに行ってみました。食べログ「定食」部門の堂々No.2です。No.1とNo.2が徳島にあるとは凄い。No.1の「びんび家」さんとは何やら関係があるとかないとか…(よくわかりません)県外ナンバーの車が多く見られます。記帳して順番を待つのですが、ナンバーを記しておくと車まで呼びに来てくれるので寒くても屋外で待つ必要がなく楽です。

あらし-メニュー

ここもメニューが豊富です!「はまちづくし」が気になりましたが朝食べたので、水槽で泳いでいてしまあじも美味しそうだったのですが、大鳴門橋に近いので鳴門鯛を食べてやろうと「鳴門鯛づくし定食」にしました(今思えばはまちにしてびんび家さんとの違いを確かめればよかった…)

鳴門鯛づくし定食

ウッハー!豪華です。鳴門鯛の刺身はゴリッゴリのピッチピチだし、鯛飯もうまい。レモンを絞って入れたりわさびを混ぜて入れたり、びんび家との何らかの関係性がありますね。謎のミックスベジタブルが気になりますが…。それにしても、

鳴門鯛と鳴門わかめの味噌汁

この丼一杯の鳴門鯛のアラと鳴門わかめの味噌汁の旨さときたら。プリップリの鯛のくちびるの周りのお肉とコリコリのわかめの食感の楽しさ。世界一うまい味噌汁じゃないでしょうか。骨をチュパチュパ片手で悪戦苦闘しながら身をほじっていた(鳴門の鯛は急な潮の流れで骨折するので骨にコブができるそうですが見つけられなかった…)ので余計時間を食ってしまい、妻から「大丈夫?」の連絡が…これから200キロ夜の高速を走らなければなりません!

夜の香川道はガラガラで単調でしたが満腹でも眠くならずに安全運転で走れました。でも用心のため安全装備は必要だよなあと実感した次第です。

さて、香川道と瀬戸大橋を経由して、児島の妻の実家に着きました。私が倒れたところです。よくぞここに(ほぼ)一人で来られるまでに回復したよなあ(左半身は麻痺したまんまですが)、としばしジーンと感動で震えてしまいました。

 

私のリハビリの3大目標として

・復職すること

・車の運転をして自由に色々なところに旅に行けること

・海外旅行をすること

 

を回復期病院に転院するときに密かに目標に決めていたので、これで2つクリアです。3つ目…コロナ禍でいつ実現できるのでしょうか?

義実家では義父母に加え義理のお兄さん夫婦、義理のお姉さん、その子どもたちもいて賑やかでしたが明日は広島に向かうので早めに休ませていただきました。